授業NO.023
授 業:「つくろう!!キミがなりたいもの」
対 象:世田谷区立京西小学校(1年生〜6年生/26名)
日 時:2008年8月23日
なりたいものをテーマに、等身大の自分づくりに挑戦します。今回の制作行程には、材料と格闘するようにして取組む作業と、材料の質感を活かして飾る作業の2つがあります。制作を通して、どんな、いろんな自分を見つけられるでしょうか。さあ、授業が始まります。
講 師:小杉朋子(イラストレーター/1977年本学立体デザイン専攻卒業)

2008.8.23 sat. 13:00 〜13:30

「キミがなりたいもの」
4名1グループに分かれてなりたいものについて考えます。「宇宙の旅をする魔法使い」や「リレーの早い選手」などいろいろな案が出てきました。それぞれのなりたいものは、どんなポーズをしているかな?何色の服を着ているだろう?どこにこだわろうか?など、各グループで話し合いました。


13:30 〜14:30

「制作1」
まずは頭・胴・手・足のパーツをつくります。新聞紙を丸めてクラフト紙で包み、ガムテープで貼り合わせます。中の新聞紙がはみ出さないように包むのは、かさばるので結構大変な作業です。手・足のパーツは自在に曲げられるようにアルミの針金を仕込んでおきます。各パーツをガムテープでつなげて固定すれば、等身大の人形になっています。



14:40 〜15:30

「制作2」
色とりどりのビニール、布、紙などで装飾していきます。カラーテープをアクセントに使ったり、レースペーパーで服の柄を華やかにしたりしました。今ある材料をどう工夫すれば自分の思い描くイメージに近づけられるのか、試し考え、時にスタッフからアドバイスをもらって制作を進めてていきました。


15:30 〜15:45

「作品と写真撮影」
それぞれの作品と一緒に、好きなポーズをとって撮影です。みんなの作品はこだわりが随所に表れたユニークなものとなりました。等身大の作品をつくりあげた達成感から表情がとても輝いていました。


15:50 〜16:00

「おわりに」
みんなの作品を前に並べ、講評会です。小杉先生からは「途中で制作をあきらめた人はいなかったね。なにごとも続けることが大切です。」というお話がありました。最後に全員で記念撮影をして授業が終了しました。

 

出前アート大学を終えて
講師 小杉朋子 (イラストレーター/1977年本学立体デザイン専攻卒業)

京西小学校の広々とした体育館にブルーシートを敷きつめて行なった出前アート大学は、日頃小さな空間の中で子どもの造形教室を行なっている私にとって、刺激的で感動的な経験でした。
既製品の溢れる中でこそ、少々歪んでいても色が決まっていなくても糊がはみ出していても、自分で作ったもので遊ぶ事、手にとって眺める事は暖かな記憶と共に「モノ作りの楽しさ・面白さ」を子どもの心に残すと信じています。今回は子どもたちに材料と格闘するようにモノ作りをしてもらおうと思い、また、自分の大きさを実感する機会にもしてほしかったので「等身大のなりたい自分を作る」をテーマにしました。
時にはハサミももどかしく紙を手で破り、馬乗りになって糊付けし、巧みに材料を使って自分作りに果敢に挑戦してくれました。どの作品もしっかりと自己主張があり、工夫を凝らしたすばらしい作品が出来上りました。
ますます、色・形・感触・手段・時間の流れ…いろんな表現手段を子どもたちと探していきたいと思いました。