授業No.027
授 業:「じぶんの地球をつくろう!」
対 象:山形県村山市立袖崎小学校
日 時:2009年7月1日・7月2日
山形県村山市立袖崎小学校での授業は、3・4年生20名を対象に実施しました。講師は彫刻家の天野裕夫氏(′78年大学院彫刻学科修了)です。石を”地球のかけら”ととらえ、ねん土を使って自分の地球(世界)を表現しました。素材をよく見て触って、色・重さ・表面の凹凸など石の個性を感じとります。石とコラボレーションして児童がそれぞれの世界を形にしました。
講 師:天野裕夫
(彫刻家/1978本学大学院彫刻学科修了)

2009.7.1 wed. 13:40 ~14:25
「地球のかけらを集めよう」
作品とする石を集めるため、屋外に集合して授業が始まりました。天野先生は挨拶の後、「石を探し出すというよりは、自分へ語りかけてくるような石との出会いを探しましょう。」というお話をされました。児童が集めた石を先生と一緒によく見ると、丘陵に見える凹凸や、生物を思わせる模様があり、地球の縮小世界があるように見えてきました。みんなの石が見つかったら中庭へ移動して石を洗います。ねん土が石にくっつきやすいように、表面の砂や泥を歯ブラシでこすって落としました。洗い終わったら、図工室へ石を運んで第一日目はここまでです。






2009.7.2 thu. 8:35 ~9:20
「レクチャー」
天野先生の作品を写真で見ながら、作家活動についてお話していただきました。迫力ある作品に児童から歓声があがり、「どうやってつくったのですか?」や「つくったきっかけは何ですか?」などたくさんの質問がありました。事前に先生の作品を小学校に送って、児童に鑑賞してもらっていたこともあり、先生の作品世界への興味が尽きないようでした


9:30 ~9:50
「デモンストレーション」
教卓の回りに集まって先生が手本を見せてくれました。石は最初からその形だったのではなく、何かにぶつかったり、川で流されて今の形になりました。石の歴史を感じて、それを大切にして作品をつくります。細部の模様や装飾は、先を削って尖らせた割り箸を使って表現します。何をつくるか難しく考えないで、石をよく見て、ねん土をこねながら形づくっていきましょう!

9:50 ~11:20
「制作」
まず、水を含ませたスポンジで石の表面を湿らせます。そうすれば、石とねん土がくっつきやすくなるのです。一つ一つ違う石の表情や風合いを大切にして、空想世界を形にしていきます。街を背負ったウサギや、アンモナイトの島、3つの石をつなげた小さな地球など、独創的な作品が仕上がってきました。木のように高さのある作品をつくる児童や、ワニの口のように空洞をつくる児童は、技術的なアドバイスを積極的に聞いて実践していました。

「土をまぶす」
小学校の先生に集めていただいた土を装飾に使いました。ねん土の吸着性を利用して、ねん土と石の色味を近づけてなじませるのがねらいです。


 


13:30~14:15
「発表会」
児童の作品発表会です。それぞれ石の特徴を活かした、ユニークな地球が並びました。授業の感想や作品について、天野先生からコメントをいただきながら発表しました。

 




出前アート大学を終えて
講師 天野裕夫(彫刻家/1978年本学大学院彫刻学科修了)

山形県にある村山市立袖崎小学校は田園の中にあって、どこか僕のふるさとを思い出すようなところであった。自然の石を粘土を使って形をのばしていく授業であったが、石の形への思い入れが大切なポイントであった。出前アート大学では事前に僕の石を使用した作品を小学校に送り、子どもたちに十分に紹介してもらったので、のりの良い授業となった。学校のとなりに絶好の石ころ場があったのも運がよかった。しっかり準備して、当日は元気とよい演出があれば石ころもダイヤモンドになるものだと思った。
ありがとう!