東アジアの新しいかおり ハングルで読む 僕らは貪欲に情報を探すため、一日のうちかなりの時間をモニターと向かい、インターネットを航海する。地球の裏側まで、インターネットの深淵まで。しかしその膨大な量と変化の速度に圧倒されれば、まるで船酔いにでもあったかのように、今いる場所がぐるぐると回っている。 英語の波の中に、僕らは次第にはまっていく。ネグロポンテは「これからの十年間は英語がインターネットの統制言語としてあり続けるだろう。しかしいつの日か、それは中国語に取って変わられるだろう」と言っている。この言葉に先見の明を感じる。今僕らは、自らの立っている足元を見直す必要があるのではないだろうか。 コンピュータ演算の基本である二進法は、ライプニッツが東洋の周易の卦に着眼して編み出したものである。ロシアの映画監督アイゼンシュタインは、漢字の会意文字と日本の俳句の概念を借用してモンタージュ技法を作り出した。ライプニッツとアイゼンシュタインの発見した東洋の可能性を僕らの目で再発見すべき時は、これからなのではないだろうか。 ネグロポンテの指摘に関しては技術的に検討しなければならないが、とにかく文化の疎通のための道具としてのインターネットは、東アジアの新しいかおりを持っているのかもしれない。そうであるならば、僕らは未来のインターネットのために何をすべきだろうか。客と主人の考えと行動は、いつも違うものだから。 サイバーカフェは世界のこの一部では社会の中心となって動いている。移住問題のある人。アジアの国々で仕事を探して到着への準備ができている人。 弘益大学校美術大学 安　尚秀