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TOKYO CONTINUUM
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TOKYO CONTINUUMは1996年ベネチア・ビエンナーレのイタリア館で展示された作品である。これは「インフォーメーション・スケープ」という新しいデータベース空間の提案の一部であり、このデータベースのもっている多元的構造<ワールド、サイト、ロケーション、リンク>の概念を視覚化し、空間として表現した試みである。

3次元空間は多くの場合、カルテジアン空間(X, Y, Z座標の幾何学)によって認識されている。それは我々が現実の空間を理解する際の一つの「認識の鋳型」になっている。しかしすでに我々は新しい情報の経験の中で(たとえば地球を眺めているサテライトの映像、あるいはネットワーク的空間)、この幾何学の限界をこえていくような体験が増えている。このような情報を扱うデータベースを、従来のカルテジアン的な構造ではなく、新しい幾何学(仮に球体的幾何学と呼んでおく)によって空間的に構築してはどうか。それが「イフォーメーションスケープ」の構造の基本的な考え方である。

「インフォーメーション・スケープ」はあらゆる形式のデータを含むことが出来る。また一方、情報ネットワークのなかに存在する仮想空間でありながら、同時に現実世界へスーパーインポウズされたハイブリッドな現実環境としても、ユーザーにたくさんのインタラクションを提供する。TOKYO CONTINUUMはその視点にもとづき、東京にあるサイト(渋谷、新宿、池袋)を取りあげ、そこにレイヤーされている多様な都市のインフラ、情報、ものの交換、流通を雛型にしたネット空間群の例を示す。ここではそれらがどの様な契機で発生し、独自の座標のなかで形成され、ユーザーによって経験されるかを考察した。

美術学部情報デザイン学科
入江 経一


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