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編集後記
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昨年春に@tamabiニューズレター第一号を出した時、短い期間の刊行物にしようと決めていました。私たちの目的は、多摩美の新しいウェブサイトやその内外での活動を紹介することでした。実際、印刷物の静とは相反する性質をもったメディアの開発を発表するのに、印刷された紙を使うのはあまり適していないと思われたでしょう。また、真のデジタルメディアが持つ万能さや生来の全能さによる魅惑的な刺激のためこのメディアから離れることを、ノスタルジックな別れのように感じられたかもしれません。しかし、私たちの本当のゴールはそうではなく、コミュニティを繋ぐ少数精鋭のネットワークを超え、まだマルチメディアという流れに呑まれていない環境でのディスカッションを促進することでした。

これは最後の@tamabiニューズレターです。一つのメディアとしての新聞の優れた部分を恋しく思うでしょう。まず、その形をいかようにも変えられること。新聞はポケットに入れられるほど多様に折れ、多くの特有なシステムでも、物理的な状況においても読むことができます。カッターを使えば、歯医者で待っている間に興味ある部分を切り取って、それを地元の電車の中で偶然に知り合った人に渡すこともできます。他を想ってグルになることは、本来の意図されたデザインを他の用途に広げます。雨の中を歩いて家に帰ったら、くちゃくちゃになった新聞紙で上手に靴を乾かせます。そしてそれ以外にもメモをとったり、綴じたり、張り合わせたり、必要だと思ったページをどうにでもできます。それらを読んだり使ったりする人々が好きなように埋められるような余白をいつも残しておくのは、良いデザインである理由の一つなのです。

本学、情報デザイン学科 の新設に伴い、この4月から、見せかけの華やかさに惑わされない、瞬時で多元的なコミュニケーションの関係を、新しいメディアの中で良心的に研究するよう努めていきます。伝統的なメディアを破棄したくありませんが、デザインや制作、実用的な応用など、新しいメディアの可能性を探る重要さを認識しています。

news@tamabi


編集 news@tamabi
news@tamabiボランティア・スタッフ

協力 小川 俊二
松木 香織
ロジャー バーナード
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