「手」と「実材」でモノをつくり出す喜び
工芸学科があつかう「陶 ガラス 金属」といった素材は、そのどれもが、人間の文明の発祥に合わせて発見し、成長させてきた「実材」です。それぞれが独自の美しさをもち、人間が手と高度に発達した技術によって、圧倒的な存在感をもつ「かたち」への展開も可能です。
「モノをつくる」というきわめてシンプルな行為は、何のためという目的を探し、つくるべきものを計画し、それをもとに素材を活用して実現する、という人間の大切な創造的な行為のプロセスそのものでもあります。ところが、現代社会では大量消費の効率を追究するあまり、つくる行為を分割させ、喜びや思考力を取り去ってしまいました。さらにテクノロジーの発達により、手で触り感触を確かめる経験も激減しています。
本学科はそうした状況に反問し、現代において、手でモノをつくることの意味をあらためて深め、問い直します。また、生活にかかわるものだけでなく、広く造形とはなにかを、一人ひとりが主体的に模索を図ります。1年次には「陶 ガラス 金属」の基礎的な素材の扱いを体験しながら基本プロセスを学び、造形力を養います。2年次からは各専門分野で基礎を学び、自己表現の基本を身につけ、3年次からの専門課程で、自由な発想を鍛えながら自己の作品表現を探求していきます。
学生は、「陶 ガラス 金属」それぞれのスタジオや窯場をもつ充実した設備のもと、教員の的確な指導を受けながら、自らの手で思考し、造形の高みを目指します。
教育課程
「モノで支えた文明から、コトで表現する時代へ」。「実材 手 つくる」をテーマとし、現代を明解に把握するモノづくり。「陶 ガラス 金属」の3つを中心に、モノをつくる動機と思想、材料の特性と加工の意味を学び、理論と実技の総合を目指します。1年次では、3つの実材を扱うプログラムを履習し、より幅広い知識と実体験を積みます。2年次からは、それぞれのプログラムに分かれて専門知識の修得をします。また、3年次には、専門以外の実材と組み合わせた3 プログラム共通自由課題の作品制作をする機会もあります。
根拠のあるプログラム変更に関しては、審査ののち柔軟に対応します。
- 陶プログラム
- 粘土を焼くと固い陶になり、もう元には戻らない。 従来の陶芸の枠をさらに掘り下げた地点から、新しい時代の「陶でつくる力」「陶で表現する力」を4年間鍛え上げていきます。この力はクリエイターとしてのいわば幹(みき)であり、陶以外の素材・ジャンルにおいても、また世界と競うときにも、有効な武器になります。
- ガラスプログラム
- 近年、小型溶解炉の発達により個人で扱えるようになったガラスは、新たな造形の可能性を広げる素材です。ガラスの多様な性質や独自の美しい質感は、自立した作品だけでなく、建築などとのかかわりにおいても注目されています。本プログラムでは、素材と向きあい、自己を通じて独自の方向性を探求します。
- 金属プログラム
- 生活のなかで広く深く用いられている金属は、正確で自由な造形が可能です。また、日本独特の伝統技法や表面処理法があります。そして主に「鍛金」を基本の技術とし、造形する態度を修得します。また3年次より、数名は「彫金」を中心とした課題を選択することも可能です。
授業科目 ※2011年度参考
- 陶プログラム
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1年次
工芸造形論(「素材 手 時代」の関係探求)/工芸制作研究(100kg、積む、水と粘土、視覚以外、ロクロなど)
2年次
工芸造形論(工芸概念の検証と工芸的思考)/工芸制作研究(粘土ピースを基にした制作、似てない、ロクロを用いた造形、描く→立体、集中演習、主題としての器)
3年次
工芸造形論(工芸の近代史、社会とのかかわり、外延的考察)/工芸制作研究(触、3プログラム共通自由課題、機能と生活、場所)
4年次
工芸造形論(社会と工芸、アート観の考察)/ 工芸制作研究(前期制作、卒業制作)
- ガラスプログラム
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1年次
工芸造形論(なぜモノなのか)/工芸制作研究(ホットワーク、接着研磨による造形、サンドブラストなど)
2年次
工芸造形論(古代ガラスから現代ガラスの歴史的考察、技法に関する資料収集と分析)/ 工芸制作研究(フラットワーク、ホットワーク、キルンワーク、現代ガラスの分析)
3年次
工芸造形論(ガラス造形の新しい概念の構築)/ 工芸制作研究(立体造形、自由制作、3プログラム共通自由課題、ガラスデザイン、ガラス材料学)
4年次
工芸造形論(方向性の探求)/工芸制作研究(自由制作)/自由制作/卒業制作
- 金属プログラム
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1年次
工芸造形論(各種金属の成り立ちと特徴・特質および加工技法など)/工芸制作研究(金属板を使った造形、カービング、鍛造など)
2年次
工芸造形論(制作プロセス・技法・周辺の機械・工具・道具、過去から現代にいたる作品・制作物の考察)/ 工芸制作研究(銅板による回転絞りおよび変形絞り、鉄の溶接実習、機械加工など)
3年次
工芸造形論(自己表現の意味、時代背景とのかかわりなど)/ 工芸制作研究(TIG溶接による自由表現、3プログラム共通自由課題、自由制作)
4年次
工芸造形論(方向性の探求)/工芸制作研究(自由制作)/自由制作/卒業制作
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