ドキュメント

1.大学図書館
五月晴れとなった打ち合わせ当日。よく映える赤いパーカーの泉太郎氏が、飄々とした雰囲気で現れる。待ち合わせの場所は、泉の在学時には建てられていなかった大学図書館。様変わりした大学に少し戸惑っていたようだったが、やがて据付の椅子に座ってみたり、図書館を利用する学生を眺めたりと、その雰囲気に慣れたようだ。一通り図書館を眺め、絵画北棟に向けて坂を降りる。
その道中、在学中に雪が降ったときの思い出を語る。
家村:今日はいい時期だから歩きやすいけど、でも寒い季節はね。
泉:確かに雪の日はスキー場みたいになっていましたね。

2.絵画北棟
やがて在学当時と変わらない学び舎の姿が見えて。
泉:これはわかります。面影が残っている。棟の入り口辺りは昔と一緒です。
昼下がりの時間とあって、棟の外ではしゃぐ学生を何度か横目に見る泉。
入口を入ってすぐのギャラリーは日本画の展示設営の最中だったため、一通り作品を見て建物を後に。
泉:地獄みたいな階段だな。
隣接する絵画東棟への階段を見るなり、泉がおもむろに感想を漏らす。在学時を感じさせる一面が垣間見えた。
丁度そのとき、偶然にも絵画学科教授の小泉俊己が通りかかる。
小泉との握手を交わした後、絵画東棟への「地獄みたいな階段」へと歩を進める。

3.絵画東棟(イイオ食堂)
学生時代の泉が過ごした、変わらない姿を残す絵画東棟を周る。講評を控えた油画専攻2年のアトリエを横目に見つつ、イイオ食堂に向かう。今年から改装が施された売店は自動販売機が並ぶだけで、棚には一つも商品が置かれてない。かつてと違う光景に驚いたようで、これには泉も少し苦笑いを浮かべた。



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