人類学者 美術学部客員教授 芸術人類学研究所所長
境界領域へ出かけていく勇気を持ち、そこで体験する出来事を理解する知性をそなえていることだけが、人生にとって意味のあることだと、信じてきた。境界領域に近づくと、あらゆるものが安定を失って動揺し、かたちあるものの輪郭はゆるやかに溶解をはじめて、流動するものにすがたを変えていく。生と死がひとつになり、無から有が生まれ、有は同時に無であるような、この境界領域に立ってあたりを見まわしてみると、意味あるものと思いこんでいたものには意味などはなく、それまで無意味なこととしてうち捨てられていたもののなかに、存在の無垢の輝きを見るようになるだろう。境界領域へ出て行くことだけが、「人生の冒険」の名に値するのではないか、とぼくは考えてきた。
素顔のワタシ マイナー科学、マイナー文学、マイナー言語、マイナーな動物などが、お気に入りです。
略歴
1950年、山梨県生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。
宗教から哲学まで、芸術から科学まで、あらゆる領域にしなやかな思考を展開する思想家・人類学者。
著書に『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、 『森のバロック』(読売文学賞)、 『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)、
『フィロソフィア・ヤポニカ』(伊藤整文学賞)、 『カイエ・ソバージュ』全5巻(『対称性人類学』で小林秀雄賞)、『緑の資本論』、『精霊の王』、『アースダイバー』(桑原武夫学芸賞)、『狩猟と編み籠 対称性人類学2』、『狩猟と編み籠 対称性人類学2』など多数。
2006年4月より、芸術人類学研究所所長。
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