平成21年度共同研究計画書

■共同研究課題
情報芸術の研究

■研究者構成
高橋士郎 多摩美術大学 美術学部情報デザイン学科 教授
森脇裕之 多摩美術大学 美術学部情報デザイン学科 教授
久世祥三 東北芸術工科大学 デザイン工学部プロダクトデザイン学科 非常勤講師
莇貴彦  多摩美術大学 美術学部生産デザイン学科 助手
井上恵介 多摩美術大学 美術学部情報デザイン学科 助手
その他 関係者で助手以上、またはフリーアーチスト

■研究目的400字
現代の情報化社会において、芸術の表現技法はとどめなく拡大し、通常の人間感覚では対応しえない高度な情報技術が遍在し、ブラックボックス化している。
秋葉原の無差別殺人事件などの不可解でオカルト的な犯罪が問題視されるのも、仮想と現実の間に大きな断絶を感じるからであろう。
本研究は、現代の高度な表現媒体と、野生の人間感覚のギャップに注目し、「情報芸術」を正しく豊なものに発展させようとするものである。
また、多摩美術大学情報デザイン学科の情報芸術コースAラボの研究成果を出版し、世に問うことによって、情報芸術領域における創作研究の歴史的意義を明らかにする。

(2)研究内容520字
本研究は、10年前に多摩美術大学に新設された「情報デザイン学科」の10年間におよぶ創作研究の実績を再検討し体系化し、さらに、次世代の情報芸術の教育目標を考察する。
情報デザイン学科の情報芸術コースAラボでは、学外の一般社会で毎年展示会を企画実施し、その教育研究の成果物を発表してきた。その合計25回に渡る展示会記録を研究事例として解析する。
特に問題とする点は、情報芸術による子供達への影響である。子供達にとって、わくわくする心のうごめきは、人間や物にたいする確かな愛着の始まりとなり、触覚的・視覚的・身体運動的な経験からくる驚きと喜びは、生きる興味に転換していく。
現代の先端的な情報技術によるバーチャル・コミュニケーションの時代において、豊かで健全なコミュニケーションが成立するためには、受け手と送り手のリアルな現実体験による共通感覚が不可欠である。
本研究は、感覚的な体感に連鎖して始まる、人間的な思索を喚起し、豊かなコミュニケーションをどのように実践すべきかを探ります。
現代のデジタル情報技術は、相互方向性、媒体互換性、即時性、世界規模、動画配信ネットなどを可能とし、豊たかで大量の情報を簡単に無償で伝達できる。したがって、本研究はインターネットで広く公開する。しかしながら、それらのデジタル媒体は、著作権の確保に関しては全く無力である。著作権確保と発表既得権を担保するには、アナログの印刷媒体が必要不可欠である。

平成21年度共同研究費交付申請書

■研究者代表
高橋士郎 美術学部情報デザイン学科 教授

■研究課題
情報芸術の研究

■研究予算
●A設備備品の明細
なし

●B消耗品費
なし

●C旅費
研究会招聘 10人日 ¥100,000-

●D謝金
研究事務アルバイト 10人日 ¥100,000-
データ編集外注費 一式 ¥200,000-

●Eその他
印刷・製本 一式 ¥600,000-

■共同研究費振込口
みずほ銀行橋本支店 普通 多摩美術大学共同研究費口 代表 高橋史郎