6)オブジェと環境

写実的な光の効果を正確に計算するCGアルゴリズムがレイトレ−シング法 Ray Tracingである。

レイトレーシング法は、画面の一点を通過して視点に到る光線が何処から来るかを、逆に視線の方向から追跡計算を行う。

レイトレ−シング法で描かれたベル研究所の「市松模様とガラス玉」1980年には、画家が想像しえない様々な種類の虚像が自動的に計算され出力されている。

ガラス球のレンズ効果で屈折した市松模様・ガラス球の内側と外側の表面に反射した二つの市松模様・ガラス球の肉厚の中を屈折してきた市松模様などである。

CG室 CG球 最蜜構造

 


 


ゴッホの「アルルのはね橋」1888年に描かれたはね橋の日陰部分は、水面の青色を反映して水色に描かれている。

水面の青色は大空の大気発光の青色の反映である。

一方、ひなたの橋脚の石積みは黄色い太陽を反映している。

すなわち、オブジェを描くことは、オブジェがおかれた環境そのものを描くことになる。

印象派は、光を描くことに専念した結果、すでにレイトレーシング法を発明していたといえる。
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太陽光の大気屈折