空気膜造形の自己形成の原理  自発的秩序形成 Self-assembly

11)空気の形 <空気膜造形>

現代の物質文明は、地球環境を破壊する勢いです。「高橋士郎空気膜造形シリーズ」は薄い表皮膜だけで立体表現することができるので、省資源や廃棄物処理の上で大変に有意義な造形技術です。

従来の、塊から形態を削りだす方法や、粘土を盛り付けたり、金属を叩いて変形する方法では、量感豊かな曲面立体を創作するのに、大変な労力と熟練技術を必要とします。空気膜造形は、内部空気の圧縮力と表面膜体の張力によって、量感豊かな立体曲面を自動的に自己形成します。

風船を膨らますと、膜の表面張力と内部空気圧によって、豊かな形が自動的に自己形成します。

しかしながら、真円の布でできた座布団状の風船をふくらませても真円にはなりません。立体に膨らむと、布のバイアスが伸びて四角っぽくなります。

正方形の座布団状の風船をふくらませても、皺ができて、きれいに膨らみません。

押絵

お風呂の中で、濡れ手拭に空気を入れて、空気玉をつくって遊ぶ時のように、平面の布でも、布の織目をバイアスに延ばせば、皺のない綺麗な曲面に膨らますことができます。ネクタイやバイアススカートの場合もバイアスの伸びを利用して、綺麗な形を作っています。

建築分野における空気膜構造の研究が、もっぱら建築強度を得るために、均一な表面張力の形態を追求するのとは反対に、筆者が提案する空気膜造形は、積極的に表面張力を操作して、任意の形態を創作する造形技術です

空気膜造形は、巨大な造形物を卓上の縫製作業で製作しますので、膨らました形を確かめながら縫製作業を進めることができません。設計製作は仮想モデルで進めこととなりますので、型紙の設計理論が不可欠です。 空気膜造形の自己形成の原理が明らかになるにつれて、高度なCADが可能になります。。