3)界面のアンフラマンス 

浮遊するシャボン玉は、多くの文学や絵画の中で、儚い人間存在を比喩しています。人は誰でも風船が好きですが、風船には価値をみとめません。

それは、人の心も寿命も風船のような儚い存在だからなのでしょう。人は泡沫(うたかた)のように弱い自分の存在が嫌いなので、永遠の生命や堅固な財産に憧れるようです。

ダビンチの水流スケッチ

近松門左衛門「虚実皮膜の間」
芸は実と虚の境の微妙なところにある。

デュシャン Inframince アンフラマンス
二次元から三次元へのパサージュ

昆虫の「たがめ」は水中に気泡をつくって、その中で生活します。
アメンボウは水面に乗り、ボウフラは水面の下にぶら下がります。
風船の中と外
風船人間
宇宙船の中では、水の表面張力が風船の働きをして、水滴が塊となって空中を漂います。
ベタ Betta 闘魚は泡の巣で卵を守ります。

超分子 細胞膜 脂質二重層

自己組織化 情報エントロピー

シャボン玉は、水の表面張力と界面活性材の働きにより、表面積の一番少ない形態である球形を形成します。シャボン玉の厚い部分は、薄い部分よりも先に伸びて、自動的に膜全体が均一の厚さになろうとするので、分子レベルの薄さまで膨らますことができます。 膜の厚さが分子レベルまで達すると、光の波長が干渉して、虹色の模様となり、さらに薄くなると黒色の斑点が現れて破裂します。

高温で溶解したガラスの中に息を吹き込んで作る宙吹きガラスも、極薄い球を作ることができます。高温のガラスの薄い部分と厚い部分では温度差が生じ、温度が高くて厚い部分が先に伸びるので、自動的に均一の厚さとなるからです。

しかし、シャボン玉も、ガラス玉も、ゴム風船も丈夫な素材とは言えません。