5)人体と救急

ヒマラヤ登山遠征隊が携行するナイロン製の気圧室は、重さ7kgの風船状で、高山病の登山者を内部に収納し、足踏みポンプで内部圧を富士山頂程度の気圧まで高めた状態にして、患者の回復を待ちます。
高性能なジェット戦闘機のパイロットは、風船状の耐Gカバーオールを装着しています。機体が急旋回する時の慣性力で、脳内の血圧が低下し、意識の低下や視力の喪失がおきないように、脚部を風船で圧迫することによって、体内の血液量を均一に保ちます。
身体に装着する風船のアイデア。
家具のアイデア。
自動車のエアーバッグは、アクリルコーティングして機密性をもたせたナイロン製の風船を、ハンドル中央部に装置し 、自動車が衝突した瞬間に膨らませて、運転者がハンドルで頭を打つのを防ぐ安全装置です。衝突センサーが働らくと火薬が点火し、その熱と圧力により窒化ナトリウムが化学反応をおこし、窒素ガスが発生します。発生した400度以上の高温窒素ガスは、スクリーンを通すことにより断熱膨張の原理で冷却されます。衝突してからエアーバッグが膨張し、しぼむまでの時間は0.125秒の一瞬のことです
旅客機の座席の下に小さく畳んで常備されている救命胴衣は、ウレタンでコーティングされたナイロン布でできています。緊急時には、小さなボンベを開放し、入っている20g程のドライアイスを気化させて救命胴衣を膨張させます。