6)宇宙で活躍する風船技術

1997年に火星に着陸した探査車ソジャーナは、高度300mまでパラシュートで降下した後、12個のポリエステル布製の風船を炭酸ガスで膨張させて、装置全体を包むように保護し、火星大地に3回バウンドして軟着陸に成功しました。

真空の宇宙空間では、風船の技術が活躍します。

ナサの宇宙船に搭載している緊急救命袋は、直径86cmの耐熱繊維製の風船の中に人が入って密閉し、故障した宇宙船から放出して、真空の宇宙空間に漂いながら救助を待つものです。袋の中には酸素吸入器、電波信号装置、膨張用の二酸化炭素が装備されています。外被膜は圧力を維持すると同時に放射線、太陽光線、微少流星から人体を守ります。

真空の宇宙空間で作業をする宇宙服は、内外の気圧差が非常に大きいために、関節部分を折り曲げる時に大きな腕力を必要とます。そのため内圧は0.3気圧の純酸素に抑えられています。宇宙飛行士は、常住する宇宙船の1気圧から0.3気圧に体をならすために、エア−ロック内で12時間もかけて徐々に気圧を下げ、純酸素を4時間呼吸して体内の窒素ガスを出しておく必要があります。
ナサの成層圏観測用の気球は、ヘリウムガスを充填した直径140mの無人の巨大な風船で、重さ3.6tの観測器機を吊り下げ、高度52kmの成層圏から地球環境を観測します。膜体素材は高張力ポリエステル布にポリエステルフィルムをラミネート加工しています。