7)巨大な風船の力 風船のスケーリング

風船の直径が2mを越えると、低圧でも、人を乗せてつぶれません。
空気膜構造の強度、すなわち膜面の張力は、その直径に比例します。したがって同じ内部圧力の場合、大きな風船はぱんぱんに膨れますが、小さな風船は形が不安定でふにゃふにやにしかなりません。

[自転車]のタイヤチューブほどの小さな直径の場合にはかなりの高圧空気300kPa程度を必要とします。
ゴム風船を膨らます時、最初は小さいので息を吹き込むのに苦労しますが、一定の大きさになると、楽に膨らみます。

筆者が設計制作した「空気の丘」(Pat.No.2068787)は全長50mの膜体の上に、大勢の子供が乗って遊ぶ風船状の丘です。

大きな風船は、パスカルの原理「密閉容器中の流体は、その容器の形に関係なく、一部に加えられた圧力はすべての方向に等しく伝わり,容器の内側に垂直に働く」により、大きな膜面張力を発揮します。

長辺が201mもの大空間を実現した東京ドームの施工では、ガラス繊維にテフロンコーティングした素材が、恒久的な不燃の建築材料として認可されました。膜体は鉄製ワイヤーで補強され、内部空気圧が発生する大きな張力を分散させています。

空気圧力20mmAqといいますと、水面下2cmの所の水圧と同じ力と考えてよでしょう。すなわち、東京ドームの膜の上に2cmの水が貯まった状態の重力を空気圧は支えています。積雪時には、積雪の重量に見合う空気圧力を加え、膜体が沈む込むのを防ぎます。

[Wall Tension]

パスカルの法則