002 バナキュラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈川県

 バナキュラー(土着)な集落、街並の美しさは、ある一定のデザインボキャブラリー、材料、工法などによって、適度な統一感と適度な差異が存在すること・・・と言えないだろうか。日本の分譲地の景観には、この条件が揃っている。法規が規制する面積や容積や細部の寸法、コストが規制する仕上げ材料や屋根勾配、社会状況が規制する閉鎖性の度合い、掃きだし窓へのこだわり、南向きへのこだわり、門扉の存在へのこだわり、地域性も国民性もたっぷり表現されている。量産工業化住宅も混在していながら全く同じものはなく、適度な差異がある。これこそ現代のバナキュラーな景観である。

 伝統的建造物群として保存の対象になる日は遠くない。