004 新幹線

岩手県

 

  日本では万里の長城をラーメン構造で作っているのか、と中国の人に言われそうな光景だ。人間はしばしば、なぜこんなものにこれほどの労力をかけたのか、と思われるような桁外れのモノを作る。それらはすでに遺跡になっていることが多いのだが、それが現役の当時は全く当たり前の存在だったはずである。新幹線の高架は日本中の景観に大きな存在感を与えている。しかし美しさのための存在ではない。きわめて機能的な存在である。

冷静に考えると、ピラミッドに匹敵するようなとてつもない構造物である。

 これが使われなくなったとき、解体して処分するのだろうか。あるいは、廃墟の姿をさらすのだろうか。遺跡として観光地になるのかもしれない。万里の長城のように。