013 インフラの隣

東京都

  ガスタンク、変電所、浄水場、下水処理場、ゴミ焼却場、など都市のインフラの拠点になる施設は機能上それなりの大きさが必要で ある。巨大な建築物でも相手が人間であれば人間のスケール感が全体を支配するものだが、この種の構造物は人間とは関係ないスケールでできている。このことはどうしようもないのだが、その仕事の対象である住宅地との距離が問題になることがある。たいていは都市の周辺部に立地し、住宅地に可能な限り影響が少ない土地が選ばれているはずだが、宅地化はその思惑とは関係なく、ぎりぎりまで土地を活用しようとする。そのため大都市ではかなり接近した状態でスケールが違うものが隣り合う という景観をつくる。 これは日本だけでなく世界中の大都市で起こりうる現象だが、この距離の近さは日本がトップクラスではないだろうか。見慣れてしまえば何でもない景観かもしれないが、少なくとも江戸時代にはこのスケールの対比はなかったので、現代という時代を象徴する景観でもある。