014 川と高速道路

東京都

  東京の首都高速と日本橋の景観、いったいなぜこんなことをしてしまったのか、・・高度成長期は景観に配慮するという考え方がなかったためだ・・などという見方があるが、本当だろうか。そもそも川や運河は景観のため、美しさのために存在したのではなく、水運の交通路として重要な意味を持っていた。その交通の主役が道路に変わってしまったら川をふさ いだり埋めたりしてその場所 を道路に譲るというのは自然な流れであり、交通路の主役が交代したにすぎないのではないだろうか。今この高速道路を撤去して川の景観をもとに戻そうという動きがある、韓国ソウルではすでに実現している。 しかし次なる交通手段が登場して道路が交通上重要でなくなる時代がやってきたとき、高速道路は産業遺産として保存の対象になるのではないか。確かに歴史上、誤ったものを作ってしまったら撤去するということは必要である。 しかし毎日多くの人が車にはねられて死んでいても、自動車を最優先した生活を送っていた時代があったということをどこかに記録して伝える必要もあるのではないだろうか。