016 土木のスケール

 

岡山県 

橋として特別大きいわけではなくても、こまやかな生活のスケールとはギャップがある。

  建築はどんなに巨大でも中に入るのが人間なので、人間の大きさをベースにしたスケールで作らざるを得ない。しかし土木構造物は山や川、海といった自然を相手にし ていることが多いため、しばしばスケールの大きい造形が求められる。ダムや護岸など目的のためにそれを必要としているからその大きさになるわけで、それはどうしようもないのだが、その巨大スケールと人間の生活的スケールが隣り合う場所に すこし異様な光景が現れる。いやこれはどちらも求められる機能に応えているだけである。このギャップを埋めようとして、コンクリート面に装飾をつけてしまったらかえってとりかえしがつかないことになる。あるがままをそっと受け入れるのが一番で、異様と思ってはいけないのかもしれない。

 

埼玉県  

高架鉄道が必要としている高さと店舗が必要としている高さのギャップ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京都

垂直のコンクリート壁で終わる造成工事の端部。1000分の1の平面図からは見えてこない景観。