08京都府 伊根

舟屋が並ぶ集落として有名である京都府与謝郡伊根町の伊根漁港は第2種漁港で、大型定置網、巻き網漁業、はえなわ などの漁が行われ、アジ、ブリ、ソウダガツオ、アナゴ、イカなどが採れる。湾内ではブリの養殖も行われる。かつては 舟は舟屋の中に収まっていたが、舟が大型化した今は外に泊められることが多い。

 

伊根の荷車はほとんどすべてこのタイプ。乳母車とよく似ているが、改造というわけではなさそうだ。両側に取っ手がついていて折りたためるようになっている。荷台はただ板を渡しただけ。

 

取っ手を両方ともあげた姿。この車には泥除けに反射板がついていない。

 

ほとんど同型であるが、下部に何かハンドルが見えている。この車はまだ新しいのか、手入れがよいのか、クロームメッキのパイプに錆が全く浮いていない。

 

捨てられているのだろうか。あるいは置き場所なのだろうか。暗がりの奥で、泥除けについた反射板が光る。

 

コイルばねとホワイトのタイヤ、波のような泥除け。取っ手を支える支柱の曲線など独特な美意識で統一されている。

 

やっと違うタイプに出会ったと思ったら泥除けが錆で脱落しただけかもしれない。木製の箱がはまっている。

 

主屋と舟小屋の間はかつてはこんな道は無く、海から出入りする集落であった。主屋と舟小屋が離れてしまったため生まれた荷車と思われる。