001 浮島 ウロス島  ペルー   /湖上に浮かぶ草でできた集落

 海抜3890mにある湖、ティティカカ湖に浮かぶ集落がある。小さな島を表現するときによく「浮かぶ」と言うが、この島は文字通り浮かんでいる のである。葦 のようなトトラという草を束ねて作った島に家を建てて浮かんでいるので、時々流されて位置が変化する。家族が増えて面積を広げたりつなげたりも自由だ。またけんかして島を切り離 すこともできて、絶えず大きさが変化する。 つまりウロス島といっても多数の島を合わせた集合体をウロス島と呼んでいるようだ。

 現地はすでに観光地になっていてウロス島へ行く観光船もある。 湖岸の街プーノへ着いた翌日、ウロス島へ寄ってタキーレ島へ行く船に乗 った。 ところが観光船が行く ウロス島はどうも生活感が薄くて嘘くさく、もうこの島は観光専用でしかなくなってしまったのかと思った。しかしまだ他にもたくさん島があるのが船から見えた。本当の生活 は別の島にあるのではと思い、再度 ウロス島群へ渡ろうとした。ところが島民はみんな自家用の船で行き来していて、島々を回るような公共交通機関は無い。しかたなく小さな旅行代理店に頼んでボートをチャーターし、ウロス島群を見てまわ ることにした。翌日港へ行くと、ガイドと船頭の他に、旅行代理店で受付したおねえさんもいっしょに来ていた。観光用でないウロス島へ行くのは初めてと言ってた。

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