タクシー行灯

 タクシーの屋根の上、

 カーデザインとは別次元で共存するほのぼのデザイ ン

●タクシー行灯コレクション

   このコレクションの発端は日本の個人タクシーである。最新型のセダンの屋根にあの提灯型ライトが乗ってしまうことを、運転手さんたちはどう思っているのだろうか。 

●カーデザインとの落差

  行灯にはもちろんデザインしている人が存在する。しかしインダストリアルデザインの先端にあるカーデザインに比べると、手作り的、素人的であり、ほのぼのとしたデザインである 。タクシー会社の親しみやすさを表現するためにあえてかなりかわいい姿をデザインすることもある。洗練されたデザインとほのぼのとしたデザイン、この両極が一体になっている ところがおもしろい。その不思議なデザインを世界から集めてみた。

●行灯のONとOFF

  タクシー行灯は空車のとき点灯し、客が乗っていると消灯している。空車のタクシーは獲物を狙う猛禽のようにゆっくりとした動きで周囲に目を光らせる。客を見つけると急減速、急停止をするので後続車は注意が必要だ。しかしひとたび客を乗せて行灯を消したタクシーはまるで深海魚のように自在な動きをする。今度はハイスピードで車の流れをすりぬけ、追い越し、急な進路変更、 赤信号になってからの交差点突入など、また別の意味で周囲の車は注意が必要だ。行灯のONとOFFで豹変するタクシーのキャラクターは、まるで生き物のようでおもしろい。

 

上の写真は仙台駅前のタクシープール