2013〜2020 消えゆく東京

 

2013年 東京オリンピックの開催が決まった。1964年の時と同様、今後、東京の景観は大きく変化することが予想される。インフラの整備など、よくなる部分もたくさんある。しかし消える必要がないものが次々と消える可能性 が高い。 ここでは2013年から2020年までに東京で失われた建築と景観を記録していく。オリンピックと直接関係がないものも多いが、消えていくスピードは確実にこれまでより速くなる。文化財級のものや名建築と言われたものにも容赦なく取り壊しの危機がせまることになると思われるが、ここでは保存運動などが起こらないアノニマスな建築にも目を向けていきたい。これらはあっという間に消えてしまい、無くなると何があったかわからくなってしまう。

せっかくエコロジーやサスティナブルデザイン という方向が見えはじめていたのに、この先の数年間はスクラップアンドビルドの時代に逆戻りすることになる。この逆行はもう止めることはできないのだから、せめて前よりよくなったのか、悪くなったのかを検証するために壊される前の姿を記録することにしよう。

 

2020年、オリンピックは1年延期となった。2021年に実施できるかどうか不透明だが、このコーナーももう少し続けることにする。もし中止になったら作らなくてもよかったものが残り、壊さなくてもよかったものが消えたことになる。

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築地市場