多摩美のやきものって何? シンポジウム「新しい工芸教育をめぐる総合研究」記録集
新しい工芸教育をめぐる状況分析と総合研究会 編

 多摩美術大学 工芸学科 陶プログラムは、1997年、陶、金属、ガラスの3つのプログラムをもつ工芸学科としてスタートし、この春、4期目の卒業生を送り出しました。
 この新学科設立に先立つ22年前、1975年に多摩美術大学における陶教育は、油画学科の3年次からの専攻選択コースのひとつとして始まり、以来今日に至るまで、他校にない際だった教育方針を積み重ねてきました。
 それは「多摩美の陶芸」と呼ばれ、時代をキーワードにして、やきもの世界に対して常に刺激を与え続けて来ました。また、陶芸界のみならず多方面へも、多くの優秀な人材を送り出してきました。

 他方、近年工芸をめぐる状況が揺れ動いています。工芸とは何か? これからの社会で、何を求められ、何ができるのか?
 そのことは、日本の社会のみならず世界の国々が、これまでの価値基準だけでは推し測れない社会状況にはいったことと関連しています。

 このような状況をふまえ、私達は陶プログラム研究室を中心にして、これまでの多摩美における陶教育の蓄積の上に立ち、変化著しい工芸概念の変容と、それにともなう新しい工芸教育のあり方を研究し、提言することを目指し、3回のシンポジウムを開きました。

井上雅之
冨田康子
中村錦平
樋口健彦
尹 煕倉

多摩美のやきものって何? シンポジウム「新しい工芸教育をめぐる総合研究」記録集
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