交換留学体験談

交換留学体験談(10)

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坂口 真理子
造形表現学部 映像演劇学科
留学先: 弘益大学校
期 間: 2009年8月~2010年2月

授業について

実際の授業内容や教授の授業方針などを学科の生徒等に聞くのが一番良い。履修登録期間内は自由に授業が受けられるので気になる授業は全て確認すると いいかと思います。また、同じ授業でも担当教諭によって全然違う方向性になるので授業内容と同じくらいに、どんな先生なのか、どんな作品を作っている人な のか、どんな授業スタイルなのかをしっかり調べると失敗がないかと思います。また履修をしなくても担当教諭に許可を取れば授業の聴講が可能です。

日本での授業に比べ授業ペースが早く、課題・発表が多い。課題を出されてから発表までのスパンが短く、発表に至るまで毎週のように プレゼンがあったりするのも珍しくない。多摩美では映像演劇学科で映像や写真、パフォーマンスを制作していたのでソウルキャンパスではなくもう一つのキャ ンパスにある映像系の学科を希望しましたが、受け入れがないということで視覚デザイン科に入ることになりました。

そこでは主に写真と映像編集の授業を受けましたが、最初は制作する方向性や意識の違いにだいぶ戸惑いました。デザイン科ということ もあり多くの生徒はクリエイターやデザイナーとして仕事につくための技術を学びに来ていると行ったかんじで、制作に関しても作品というよりは課題をこなす といった雰囲気が感じられました。若干中身よりもパッケージ性を重視していると思いましたが、その分技術面は素晴らしく特にパソコンでの編集スキルはプロ でも通用するような生徒も何人かいました。

私は2年生の授業をとりましたが1年生の際に基本的なソフトの使い方を叩き込まれるそうです。多摩美に比べて機材や設備は揃ってい ませんが、制作するには十分です。Macは編集室だけでほとんどのパソコンはDELLなどでした。また学校の方針でソフトの表示を英語にしているので使い 慣れたソフトでしたら大丈夫ですが、自分のパソコンを使った方がはるかに楽ですしどこでも作業ができます。普段使っているソフトを持っていない場合は事前 に購入されたほうがいいと思います。学科によって異なりますが、暗室やスタジオなど施設の管理を生徒に任しているので予約をすれば深夜でも使い放題ですご く助かりました。

作品に関しては正直多摩美の方が面白いなと思いましたが、いままでフィルムを中心に制作していたのでデジタル編集を学ぶいい機会に なりました。逆に韓国ではフィルムを使った制作は少ないので写真では質問されることも多く、8ミリカメラでの作品は珍しがってもらうことができました。授 業内の発表だけで作品を展示する機会がなかったので1月の終わりに個展を開催しました。大学付近には小さなギャラリーがたくさんあり、会場は割とすぐ決ま りました。費用は安くありませんでしたが、日本の半額ほどで借りられます。12月の授業終了後からギャラリー探しをして、一時帰国の際に作品を作り韓国に 戻りました。個展自体初めてで準備など全て一人でするのは大変でしたが、海外で展示ができ良い経験になりました。海外では非常にコンセプトを重視していて コンセプチャルな作品が好まれる傾向があります。作品の意図について深く考えることが大事だなと改めて感じました。構内の美術館や展示スペースでは常に色 んな学科の展示が行われており、学校周辺にはギャラリーがたくさんあるので韓国の現代美術に触れるにはとてもいい環境だと思います。

語学について

韓国の若い人は英語が上手で日本語を勉強している人がとても多いです。私のとった授業ではクラスに1・2人日本語がしゃべれる生徒がいたので授業や 課題について訳してもらったりしていましたが、授業をきちんと理解したり交流を深めたりするにはやはり韓国語は必要です。弘益大学で韓国語の授業はとらな かったのでどの程度のものかは分かりませんが、ゼロから始めるというのであれば週2時間の授業では足りないと思います。

私の場合は弘益大学での授業が始まる前に語学学校に行きましたが、アジア映画に興味があったので中高生の頃から韓国映画を見たりし て自然と覚えていました。多摩美に入学してからは1年の際に共通教育の韓国語の授業を受けて、その後も独学で勉強しつつ韓国語の授業がある曜日は授業前な どに先生に質問しに行ったりしていました。留学が決まってからは意識的に映画やドラマを見るように心掛けました。韓国語は日本語と文法が同じなので字幕と 実際に話している順番が一緒なので発音以上に単語も覚えることができます。渡航前に簡単な単語だけでも覚えていくとずいぶん違うと思います。

そして韓国語以外にも英語でのコニュニケーションは必須です。英語圏じゃなくても留学にくるということは英語くらい話せるだろうと 思われています。他の留学生や教授との会話はほとんど英語でしたし、町中でも使う機会は多々ありました。私も得意ではありませんが、大事なのは話そうとす る意識です。どんなにへたくそでも一生懸命伝えようとすれば必ず聞く耳を持ってくれます。自分から積極的に話すことが1番大事です。

異文化交流について

日本に興味がある韓国人は非常に多く、中には私以上に日本のテレビやアニメに詳しい生徒もいました。日本語を勉強している生徒などは積極的に話しかけてくれたりします。

ルームメイトは中国からから来た院生で基本的な会話は英語でしたが、彼女は韓国とのハーフでしたので韓国語を教えてもらったりもし ました。彼女は途中で引っ越してしまいましたが、お互い国の違いや韓国に対する考えなど色んな話をすることができました。また寮生活は全て快適といったわ けではありませんでしたが2人部屋ですのでお互いに様々な配慮が必要でした。生活習慣が異なる環境で過ごしてきたのですから不満も出ますが、そういう時は 正直に伝えるのが自分にとっても相手にとっても一番です。

韓国語の授業を取っていなかったので他の国からの留学生と話す機会は多くありませんでしたが語学学校で色んな国の人と交流すること ができました。友人、ルームメイト、教授、インターナショナルセンターのスタッフ、お店の店員などと色んな人との会話をすることで様々な角度からあらゆる 物事を考えられることができました。

留学して本当に一人なんだなと思いましたが、一人であるからこそ人の支えがなくては生きていけないなと感じました。家族はもちろん多くの人の協力のお陰で無事留学生活を送ることができました。