2010年度春期講座

講座番号
1136

ポラロイド写真の不思議な楽しさ

ポラロイドは2008年に、フィルムの生産打ち切りを発表しました。
しかし愛好する人の声が届いたのか、別のかたちで再び生産が開始されるといいます。
一体、そこにはどんな魅力があるのでしょうか。
実際にポラロイドカメラを見て、知って、撮って、楽しんでみませんか。

講座内容

第1回
対談「ポラロイドの魅力を探る」(萩原、港)/講習
第2回
作品発表・鑑賞、講評(萩原、高橋)
※各自作品を撮影し、第2回にお持ちいただきます。
開講日 2010年5月22日、7月10日の土曜日 全2回
時間 17時~19時
場所 上野毛キャンパス
受講料 7000円(カメラ貸出・フィルム代別途8000円)
※ポラロイドカメラとフィルム10枚をご用意いただける方は「カメラ貸出・フィルム代」は不要です。
 申し込み時、ハガキにその旨お書きください。
定員 20名
申し込み締切 4月27日必着
講師 高橋周平[写真評論家、本学教授。写真集の編集、写真展企画等に携わる。評論や小説も執筆]
萩原朔美[映像作家、本学教授。演劇、文章、実験映画、写真、版画など、表現の発見を繰り返す]
港千尋[写真家、映像人類学者、本学教授。多彩な批評活動も行う。近著に『愛の小さな歴史』]

コラム 間の悦楽 萩原朔美


 
港千尋《Splendid Hotel,Dax,France 2008》

ポラロイド写真の魅力は、何と言っても像が出現する時間にある。長過ぎず早過ぎず絶妙なタイミングで映像が現れる。期待の間の豊饒さを教えてくれるのだ。それまでの写真は、ラボが介在したのであまりにも時間の浪費だった。反対にデジタル全盛の今は、瞬時にモニターに再現され期待の間は喪失してしまった。
ポラロイドの画像がじんわりと浮かび上がってくる様は、日の出を待つ間に似ている。私は個人的には夕陽を眺めるのが好きだ。だから、ポラロイドのシステムと反対に、ゆっくりと消えてしまう写真が市販されると嬉しい。そうずっと思っていたら、なんとポラロイド写真そのものが消えてしまった。
しかし、今年また別のかたちで存続することになったという。やはり、あの浮かび上がってくる悦楽の間のファンは多かったのだ。