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モノミナヒカル展 2012年11月1日「木」〜2012年1月14日「月・祝」

岐阜ススキ郡’99(1999)、自宅にて(1974)

佐藤慶次郎(1927-2009)は作曲家として戦後の日本前衛芸術の牽引役を担った実験工房に参加した後、エレクトリック・オブジェの制作へと活動の幅を広げた。磁場や磁石が生む振動を利用したそのオブジェは人為を超えたパフォーマンスを生み、見る者は無垢な心がままに目の前に起こる現象へ誘われるであろう。
1967年に発表された音響オブジェに端を発するオブジェ制作は1970年代初頭、壊れたスピーカーとイヤホーンのマグネットを手にしたことから始まった磁性との戯れから「振動するオブジェ」へ発展してゆく。振動する軸とそこに貫かれ緩やかな運動をする球体、忙しく活動するマグネット素子、さらに水流が導く色彩の混交は、オブジェの存在から解き放たれ、無数の表情に満ちている。
現象として起こるそれらの動き。そこには佐藤が込めた思いがあった。それは「人ガ歩キ鳥ガ飛ブトイウコトノ不思議サト同ジモノ」。佐藤はこの一文を含んだ、オブジェについての核心的な記述を残した。そのタイトルが「モノミナヒカル Everything is expressive」である。
佐藤は2009年に逝去した。本展は、音楽と美術の両側面から芸術表現に臨んだ佐藤の、没後初めての展覧会となる。オブジェの他、作曲活動や佐藤が関わった仕事―例えば日本万国博覧会―そしてジョン・ケージや川端実、恩師早坂文雄など周囲との関係を知る展示、古美術蒐集品から佐藤慶次郎へ接近する機会となろう。

花開(1974年)、尺トリムシ(1974年)
フィメール(1974年)、オテダマ(1974年)、マンダラ セミルナーリス(1974年)
トンボ あるいは 二つずつのスノー(1980年)、岐阜ススキ群’99(1999年)
銀河鉄道(1974年)、オーバー ザ ウェーヴス(1973年)、オテダマ(1973年)
ヴォ―テックス パフォーマンス(1976年)、ピアノのための5つの短詩(1954年)、摺仏(平安時代末)
1.花開(1974年) 撮影:宮川邦雄 岐阜県美術館蔵
2.尺トリムシ(1974年) 撮影:宮川邦雄 岐阜県美術館蔵
3.フィメール(1974年) 撮影:十文字美信 岐阜県美術館蔵
4.オテダマ(1974年) 撮影:十文字美信 個人蔵
5.マンダラ セミルナーリス(1974年) 撮影:宮川邦雄 岐阜県美術館蔵
6.トンボ あるいは 二つずつのスノー〈部分〉(1980年) 撮影:宮川邦雄 岐阜県美術館蔵
7.岐阜ススキ群’99〈部分〉(1999年) 撮影:宮川邦雄 岐阜県美術館蔵
8.銀河鉄道(実験機)〈部分〉(1974年) 撮影:十文字美信 岐阜県美術館蔵
9.オーバー ザ ウェーヴス(実験機)〈部分〉(1973年頃) 撮影:十文字美信 個人蔵
10.オテダマ(実験機)〈部分〉(1973年頃)撮影:十文字美信 個人蔵
11.ヴォ―テックス パフォーマンス(1976年) 撮影:宮川邦雄 岐阜県美術館蔵
12.「ピアノのための5つの短詩」〈作曲課程〉(1954年) 個人蔵
13.摺仏〈浄瑠璃寺阿弥陀如来坐像胎内〉〈部分〉(平安時代末)佐藤慶次郎の蒐集 個人蔵

【佐藤慶次郎略年譜】

1927(昭和2) 6月6日 東京都港区麻布に生まれる。
1945(昭和20) 慶應義塾大学医学部入学。
1949(昭和24) 早坂文雄に師事し、作曲活動を始める。
1952(昭和27) 慶應義塾大学医学部卒業。卒業後、胃穿孔のために胃を切除。
1953(昭和28) 実験工房に会員として参加。
1954(昭和29) 「ピアノと管弦楽のためのレントとアレグロ」が、毎日新聞・NHK主催音楽コンクール(現日本音楽コンクール)作曲部門管弦楽の部第2位に入賞。
1955(昭和30) 実験工房室内楽作品演奏会において「ピアノのための5つの短詩」を発表。
1961(昭和36) 「ピアノのためのカリグラフィー」を発表。
国際現代音楽協会(ISCM)世界音楽祭に入選。
1962(昭和37) ジョン・ケージの演奏会において禅でいう見性を体験。
1964(昭和39) 「10の弦楽器のためのカリグラフィー第1番」を発表。草月会館(東京)
1967(昭和42) 音の作品「エレクトロニック・ラーガ」を発表。
1970(昭和45) 一柳慧とともに日本万国博覧会(大阪)にて三井グループ館の音響デザインを担当。
1972(昭和47) この頃より壊れたスピーカーとイヤホーンのマグネットを手にしたことから、磁性との戯れが始まる。
1974(昭和49) 佐藤慶次郎個展「THE JOY OF VIBRATION」 南画廊(東京)
1980(昭和55) 「不思議な振動の世界展(ザ・ジョイ・オブ・バイブレーション−佐藤慶次郎)」(ツァイ・ウェインとのジョイント個展) 伊勢丹美術館(東京)
1983(昭和58) 「幻想と造形展−ホログラフィと振動の不思議な世界−」(石井勢津子とのジョイント展)岐阜県美術館
1984(昭和59) 「Electra」 展へ出品。パリ市立近代美術館(フランス)
1990(平成2) 「おもちゃの世界大探検 不思議な振動の世界 佐藤慶次郎作品集」新潟県立自然科学館
1990(平成2) 「オマージュ・ゴッホ in T-BRAIN ハイ・テクノロジー・アートによるニューランドスケープ」展へ出品。東京国際美術館セビリア万国博覧会へ出品(スペイン)
1992(平成4) セビリア万国博覧会へ出品(スペイン)
コンピュータ・ミュージック「インヴァース第4番」を発表。放送開発センター・ホール(千葉幕張)
1994(平成6) 「IMAGES DU FUTUR(未来のイメージ)'94」展へ出品。モントリオール市立芸術科学館(カナダ)
1996(平成8) コンピュータ・ミュージック「初夏独嘯−A random singer in the early summer '94」を発表。バリオホール(東京)
1999(平成11) 《「在る」ということの不思議 佐藤慶次郎とまどみちお展》岐阜県美術館
2003(平成15) コンピュータ・ミュージック「如何是第9番」を発表。川崎市 岡本太郎美術館(神奈川)
2009(平成21) 5月24日 肺癌により死去。享年81歳。

関連イベント

モノミナヒカル展では多数のイベントをご用意しております。詳細はこちらをご覧ください。

カタログ

モノミナヒカル展 −佐藤慶次郎の振動するオブジェ− モノミナヒカル展 −佐藤慶次郎の振動するオブジェ−

価格:3000円
2012年発行、29.7×21.0cm/264ページ


  • 主 催 多摩美術大学美術館
  • 助 成 nomura財団ロゴ
  • 協 力 岐阜県美術館
  • 休館日 火曜日・2012年12月28日(金)〜2013年1月5日(土)
  • 入館料 一般 300円(200円)/大・高校生 200円(100円)
    ※障がい者および付添者、中学生以下は無料
    ※( )は20名以上の団体料金