
杉浦非水(1876-1965)は、日本のモダンデザインの先駆者として、先鋭的で華麗なグラフィックデザインを手がけ、明治、大正、昭和にかけて活躍し、図案家として名声を博しました。1901年東京美術学校卒業後、印刷会社、教員、新聞社を経て、1908年から1934年にかけて三越のデザイナーとして様々なデザインの仕事を手がける傍ら、「光風会」「七人社」など新しい美術やデザインの動向を志向する集団の設立にも尽力しました。その時期に発刊された木版画による草花写生図集「百花譜」(1920-1922年、1934年再刊 春陽堂)は、非水が初期のアールヌーボー風なデザインから日本画的な自然で単純化された表現を確立した典型として知られます。その後1935年に多摩美術大学の前身である多摩帝国美術学校の初代校長となり、図案科の中心的指導者となって、戦後は多摩美術大学の理事長を務めました。
この展覧会では、当館のコレクションである「百花譜」のうち90点と、戦中に非水が身近な草花や鳥獣を写生したスケッチブック画より花鳥画をご紹介いたします。非水が身近な自然としての山野草にこだわり、創作図案の根底にあった写生精神の神髄をご堪能ください。
 
1.杉浦非水 スケッチ 菖蒲 1940年 水彩
2.杉浦非水 スケッチ 駒ケ岳 1939年 水彩
3.杉浦非水 「百花譜」第十五輯 油菜 1934年 木版画
4.杉浦非水 「百花譜」第十四輯 藤 1934年 木版画
5.杉浦非水 スケッチ 矮鶏(ちゃぼ) 1940年 水彩
6.杉浦非水 「平和記念定額郵便貯金」 1951年 ポスター
7.杉浦非水 「姫鵜と波紋の表情」 1955年 絹本着彩
同時開催
フレンチ・オペラポスター
多摩美術大学美術館のポスターコレクションの中から、19世紀から20世紀初頭にかけて作られたフランスのオペラやオペレッタのポスター44点を展示します。リトグラフによるアール・ヌーボー様式のグラフィックの世界をお楽しみ下さい。
ジュール・シェレ 「ヴィヴィア−ヌ」 1886年 リトグラフ
関連イベント
■学芸員によるギャラリートーク
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日 程
4月14日(土)、4月28日(土)
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時 間
各回15:00〜16:00
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会 場
展示室
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参加費
無料(但し要入館料)
〈主催〉多摩美術大学美術館
休館日◎火曜日
開館時間◎10:00〜18:00(入館は17:30まで)
入館料◎一般300円(200円) 大・高校生200円(100円)
※( )は20名以上の団体料金 障がい者および付添者、中学生以下は無料
〒206-0033 東京都多摩市落合1-33-1
電話◎042-357-1251
交通◎多摩センター駅徒歩7分(京王相模原線・小田急多摩線・多摩モノレール)
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