お問い合わせ美術館概要スペシャルコンテンツ関連イベント展覧会紹介開催概要トップページ 四国霊場開創1200年記念  祈りの道へ −四国遍路と土佐のほとけ− 2014年11月22日(土)〜2015年1月18日(日)多摩美術大学美術館


四国遍路について  監修者より<日々遍路>  学芸員の<日々進行中>  リンク集


学芸員の<日々進行中>

2015年1月12日(月)

講演会「空海の時代」終了しました。

講演会の様子

 昨日(1月11日)、大橋一章先生(早稲田大学名誉教授)をお招きした講演会「空海の時代―その時代と造形―」が行われました。会場が満席以上となるご来臨をいただき誠にありがとうございます!
 大橋先生には、インドで生まれた仏教が中国での理解を経て朝鮮半島から日本へ伝わった経緯、そして古代の仏教の偉人として聖徳太子も引き合いに出されて空海という人物の位置づけをしていただきました。また空海の時代へ向かう日本仏教の姿として興味深かったのは飛鳥から奈良時代にかけての仏教受容や古代仏教寺院の建立についてのお話。歴史の流れで空海とその時代を考えることができました。空海の入唐や恵果へ師事、密教において根本ともいうべき曼荼羅が意味すること等にも踏み込んでいただきました。空海が始めた「後七日御修法」(ごしちにちみしほ)が行われている頃に、高知県ご出身でいらっしゃる大橋先生にご講演いただいたことに、二重の縁を感じます。
 大橋先生そしてご聴講頂いた皆様へ心より御礼申し上げます。

(T.F)

2014年12月27日(土)

「野田廃寺出土せん仏の周辺」講演会終了しました。

講演会の様子

 廣田先生のご講演「発掘へんろ」が終了した直後となる12月23日(火・祝)に、年内最後のイベントとなる「野田廃寺出土せん仏の周辺」講演会を行いました。お話しをさせていただいたのは私、淵田でございます。 全長5cmという野田廃寺の小さな「せん仏」は、高知県で初となるせん仏の発掘品。四国全体を見渡しても、2例目となる貴重なものなのです。 私の話は、「せん」とは何かから始まり、「せん仏」のバリエーションとその隆盛期となる白鳳時代についての発掘例を紹介いたしました。そしてその造形から朝鮮半島の金銅仏の作例と比較しその源流を紐解く試みとしました。奈良時代後半の作例とされている野田廃寺の「せん仏」。現在は類似例が見つかっておらず不明な事が多いのです。しかしまだまだ探究の途についたばかりのこの「せん仏」。これからの発掘成果や研究、そして海外との交流を含めた当時の高知の姿が明らかになっていくことによって、その存在がクローズアップされてくるに違いありません。 年末のお忙しい中、お集まり頂いた皆様、誠にありがとうございました!

 年内の開館は本日、12月27日が最後でございますが、この展覧会は年明けもまだまだ続きます。1月11日(日)には大橋一章先生(早稲田大学名誉教授)による講演会「空海の時代 −その歴史と造形−」もございます!
 来年も皆様のお越しを御待ちしております。

(T.F)

2014年12月27日(土)

講演「発掘へんろ」終了しました。

講演会の様子

 12月21日(日)に本展のひとつの見どころとなる高知県における考古学の成果についてご講演をいただきました。 講師にお招きしたのは、高知県教育委員会文化財課の廣田佳久先生。廣田先生は長年、高知県埋蔵文化財センターにご勤務され数々の発掘現場を見てこられました。 廣田先生のお話しから弥生時代から中世にまでわたり、そこから伝わったのは、豊かな高知の歴史。遍路文化と仏教美術を育んだ高知の時を遡り、その土地について知ることができました。 またご講演のあとには展示室に発掘品のショーとレクチャーまで行っていただき、現物を目の前にしてより深い世界を探究することができました。
 廣田先生、どうもありあがとうございました!

(T.F)

2014年12月17日(水)

星野英紀先生ご講演がありました!

講演会の様子

 一昨々日、星野英紀先生(大正大学元学長・大正大学名誉教授)によるご講演「昭和の遍路と平成の遍路」が行われました。選挙当日にもかかわらず大勢のご来聴をいただき誠にありがとうございます!

 星野先生は大きな身振り手振りを使ってお話を進められ、そのお姿に皆様が引き込まれていきました。まさに臨場感が溢れた会場となり講演会の醍醐味を感じた次第です。お話は、作家の高村薫氏との出会いから始まり、昭和30年代までの遍路そして平成へと続く遍路と進みました。星野先生がおっしゃられた中、興味深いのは高度成長期を経て大きく変化した遍路の姿を捉えながらもそこに変わらぬ体験があるということ。それは空海の感じた思いにも通じているのかもしれません。この度の展示に関係した空海の事績「明星来影」(「高祖大師秘密縁起絵巻」雪蹊寺蔵 巻二)について先生は、自然と自分の一体、宇宙と自分との一体の感覚を述べられました。これは空海の密教的世界が自然と人間の間に境を設けないことに通じ、まして人間同士さらに全ての他の存在の間に区分を立てないことに通じているのです。このお話にとても感銘を受けました。ここに遍路体験の真理を垣間見たような気がします。
 変わるものと変わらぬもの。私は遍路未経験ですが高知で調査を通じ多く目にしてきた樹木や川、山や海。その姿は近代の変化にありながら空海の時代から大きく変わっていないのかもしれません。道が整備された現在も、歩いて遍路を巡ればやはり厳しい過程であるでしょう。しかし目に映る自然の姿と、時に踏みしめる砂浜や土からも自然の息吹は伝わってくるはずです。遍路に関する言葉である「同行二人」。これは弘法大師・空海とともに遍路を巡るという意味ですが、同時に弘法大師が感じた現場の空気を自らも追体験することでしょう。星野先生のお話からあらためて遍路を行う意味を自問した時間でした。

 星野先生、お忙しい中のご講演誠にありがとうございました!

(T.F)

2014年12月12日(金)

新宿駅で「祈りの道へ」を発見!

新宿の様子

 京王線新宿駅改札前にある「ラウンドボード」に本展ポスターが! 裏から照明が当たり光っています。大光明遍照(だいこうみょうへんじょう)とも呼ばれる大日様が「輝いている」とは何とも感慨深く見てしまいました。12月21日(日)まで貼りだされているとのこと。新宿へお立ち寄りの際には「祈りの道へ」ポスターを探してみてください!

(T.F)

2014年12月11日(木)

年輪年代測定の調査が報告されました

画像  木造地蔵菩薩立像(以下、笑い地蔵/定福寺蔵)と木造十一面観音立像(以下、十一面観音/室戸市椎名)の木材伐採年について先月末、光谷拓実先生(元奈良文化財研究所研究員)に年輪年代測定をしていただきました。昨日、その報告を講演会にて発表していただきました。
 笑い地蔵6体の調査で最も新しい年輪年代は1185年との結果が。そしてお像にみる木材状況と年輪の外皮側にある辺材の推定位置からして、1200年代前半までには伐採されたと考えられるのです。さらに興味深い結果を聴くことができました。なんと、6体ある笑い地蔵のうち4体が同じ材から彫り出されているというのです。これは各像の材が持つ年輪のパターンから判明したこと。それぞれの年輪グラフの値が同調しているのです。さらに他2体の年輪パターンの値が近いことが分かりました。
 今回の調査結果が示すこと。それは笑い地蔵の6体がA材、B材の2材を使い同じ工房で同じ時期に造られたと明らかになったことでした。またこの度の調査ではまた一つの問題提議が浮き彫りに。笑い地蔵が持つ年輪パターンがどうやら四国産の木材とそぐわないというのです。お話しを伺い、どこから来た用材なのか、はたまたどこで造られた像なのか新たな興味が湧いてきました。今後の調査進展が楽しみな結果です。
 十一面観音の調査では、笑い地蔵からおよそ100年さかのぼる1100年代前半の伐採である可能性がきわめて高いという結果が。これも新たな成果です。そしてここでの材は四国産とのこと。今に渡る900年間、四国にあって世の中の移り変わりを見守ってこられた仏像の長き歩みの発端を見た思いでした。

 講演会でご聴講を頂いた皆様、そして光谷先生に心より御礼申し上げます。

(T.F)

2014年12月11日(木)

多くの皆様にご参加いただいたギャラリーツアー

ギャラリーツアーの様子

 日曜美術館アートシーン(12月7日)のご紹介以来、また多くの皆様にご来館を頂いております。その中、昨日2回目のギャラリーツアーを行いました。大勢の温かくも真剣な方々を前に、またもや時間オーバー。最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
 ギャラリーツアーは1月14日、13:00からも行います。本展の柱となる「遍路文化」「考古発掘成果」「仏教美術」の見どころをご紹介しますので、是非お越しくださいませ!
(散発的となりますが、時にギャラリーツアーをさせていただくこともありますので、ご来場いただいておりました際には、どうぞご参加ください!)

(T.F)

2014年12月5日(金)

日曜美術館アートシーンにて当展が紹介されます

 今度の日曜日(12月7日)NHK日曜美術館アートシーンにて 「祈りの道へ」展が紹介されることとなりました!
 展覧会会場で間近に見ている作品がどのように放送されるのか楽しみです。
 是非ご覧くださいませ!

放送について:
「日曜美術館 アートシーン」
==============================
 12/7(日)
 朝 9:45−10:00(NHK Eテレ)
 夜 8:45−9:00(NHK Eテレ)

(T.F)

2014年11月28日(金)

年輪年代測定法と文化財

講演会の様子

 昨日、光谷拓実先生(元奈良文化財研究所)による特別講演会が開かれました。夕方からの開演だったにもかかわらずご参加いただいた皆様、誠にありがとうございます。
 光谷先生のお話は、年輪年代測定法がどのように文化財調査に寄与するのかを説くことから始まりました。光谷先生が仰るには、平安時代のスパンを前・中・後期に分けて文化財の年代を説明しているが、この各期の長さに奈良時代すらすっかり収まってしまう。制作時代の同定としてどうしても振り幅が大きすぎるのではないか。それをなんとか絞っていく「定点」として年輪年代法が有効である、ということ。ご自身が30年に渡って研究を積み重ねていらした研究の“精神”と厚い実践から発せられたお言葉に、こちらも熱い気持ちとなりました。
 そして、これまで調査をされてきた東大寺法華堂、鳥取県三佛寺、唐招提寺金堂など数々の実例をお話しいただき、年輪年代法が開く文化財の世界に触れた思いです。年代の同定は勿論ですが、各産地によって異なる年輪の「顔」とそこから読み解く木材の移動と流通が文化財を知る新たな情報となることは間違いありません。世界的に認知される年輪年代法の成果。このような自然科学的で客観的な情報をもとに、歴史学・美術史学・建築学が何を導くことができるのか、木材資源に囲まれ木造・木彫文化財を多く有する我々だけに、先生の温和なお言葉からするどい問いを投げ掛けられ、背筋が伸びました。
 光谷先生、貴重なお話ありがとうございました。

(T.F)

2014年11月27日(木)

年輪年代法の第一人者、光谷拓実先生のご調査

光谷拓実先生のご調査中の写真  先週11月22日に無事スタートしたこの展覧会。四国そして高知の文化財を多くの方にご覧いただいております。初日を迎えた後も、日々進行するこの展覧会。その一つがここに載せる写真です。なんと、年輪年代測定の第一人者である光谷拓実先生をお招きし、調査をしていただきました。光谷先生には学生時代からお会いしたい! と願っていたのですが、自ら担当する展覧会でお目にかかれることに。しかも先生がご調査される現場を間近に見る事が出来、なんとも嬉しい限りです。
 お言葉によりますと、高知県の年輪データを採ることができる機会を願っていたとのこと。長時間にわたる調査の最中、時々「いいね」と仰る光谷先生。素敵な仏様に対峙されるお言葉と捉え私も感慨ひとしおです。そしてよくよく拝見していると、もう一つ大きな意味がありました。それは、やはり「良い年輪」を発見された時のコメント。この度の調査で何度このコメントを聞いたでしょうか。それだけに分析結果が楽しみです。
 さらに楽しみなのが本日(27日)行われる特別講演会。光谷先生に年輪年代測定法と文化財調査についてお話くださいます。もちろん、皆様の御来聴も大歓迎! 17〜19時、多摩美術大学美術館B1多目的室にて開催されます! ぜひお運びくださいませ。
 講演会の詳細についてはこちら。

(T.F)

2014年11月27日(木)

第1回目のギャラリーツアー終了!

 昨日、この展覧会初のギャラリーツアーを行いました。雨の中、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございます。一時間とお約束したのに大幅にオーバーをしてしまい申し訳ありません。ご参加頂いた方が作品へ注ぐ熱心な眼差しを感じ、こちらも熱を込めて話してしまいました。その分、最後まで作品をじっくりとご覧いただけたのでしたら本望です。今後のギャラリーツアーが行われるのは12月10日(水)・1月14日(水)。いずれも午後1時からとなっております。ご参加の方が多い程燃えるタイプの学芸員がお待ちしております。

(T.F)

2014年10月10日(金)

豊かな自然と高知に伝わった仏様

豊かな自然  展覧会の初日まであとひと月あまり。いよいよ近づいて来たという実感をひしひしと受けつつ、準備を進めている毎日です。その中、いつも頭から離れない風景があります。それは長岡郡大豊町にある豊楽寺(ぶらくじ)へ初めて調査へ行った時のこと。昨年の4月のことでした。大豊町へ向う道ではまさに澄み渡った透明な水に心が洗われました。そしてお寺のやや下には山と川が何とも言えない美しさを織りなしていたのです。高知県は太平洋に面しつつ山地率が89パーセントになり、険しい地形をつくっています。高知県の川と言えば四万十川が有名ですが、県内いたるところにある澄んだ水もこの地形の生んだものなのでしょう。
 現地を訪れ感慨を覚えずにいられないのは、この山の多い険しい土地にすばらしい仏様が多く伝わっていること。海の厳しさそして山の険しさ、そして豊かな自然。それらへの敬意が祈りの心に通じ、生み出された造形を目の当たりにしている、調査ではそのように感じました。本展では、高知に伝わった素晴らしい仏様に出会って頂けます。

(T.F)

2014年10月1日(水)

 本展「祈りの道へ−四国遍路と土佐のほとけ−」では、お遍路の文化と高知県の文化財を数多く展示させていただきます。これまで県外で出陳されたことが無い仏様もご覧いただく機会になろうかと存じます。どうぞ当館までお運びいただき、四国、そして高知県の豊かな文化をお楽しみいただければと存じます。ここでは展覧会初日までと期間中に学芸員目線で情報を掲載していきますので、どうぞよろしくお願いします。


▲ 画面のトップへ戻る

多摩美術大学

Copyright (c) 2014-2015 Tama Art University