日本と西洋によって形成された近代韓国における「翻訳された近代(translated modernity)」

LEE Yoojung

作者によるコメント

韓国の多くの翻訳者たちが言う「西洋、中国、日本の相互作用によって形成された近代韓国」、すなわち過去の二種翻訳や三種翻訳によって外国の文化を吸収してきた近代韓国では、自らの言語に対するオリジナリティの問題が大きな課題となっている。未だ残っている日本の翻訳語の使い方が、現在や将来における韓国語のオリジナリティにどのような関連をもたらしていくか、また過去については翻訳に関してどのようなことが起き、そこから継承していくべきことについて論じていきたいと思う。

担当教員によるコメント

韓国からの芸術学科への留学生には、近年、日本統治時代の朝鮮における近代芸術の成り立ちを研究する者がふえている。その中で、平成24年度の卒業論文として李柔瀞さんが研究したテーマは特異で、さらにその基盤において見られる「翻訳」の問題であった。「翻訳」を通じて日本の近代に西洋から移入された観念が、さらに韓国の近代をどう形成してきたかを論じる。視野は広く、聖書や詩の翻訳の問題から漢字文化への考察、ベンヤミンの翻訳論に及んでいる。この研究が韓国の新しい世代にもたらすものの大きさに期待できる。

教授・平出 隆

  • 作品名
    日本と西洋によって形成された近代韓国における「翻訳された近代(translated modernity)」
  • 作家名
    LEE Yoojung
  • 学科・専攻・コース