水湳洞十三層美術館

Shih Tsaiyun

作者によるコメント

台湾・水金九地域は金鉱の採金事業によって繁栄した歴史をもつ町。「十三層遺跡」は以前の「選礦場」で、山の地形に沿って十三層になった精錬場。水湳洞十三層遺跡が町の歴史に組み込まれていくような美術館空間の提案によって、水湳洞と金瓜石地域の再生に繋げたい。

担当教員によるコメント

台湾・水金九地区にある古い精錬場跡地の再生計画です。海から緩やかにつづく山裾に最盛時十三層の建築群がそびえ、金の採取から精錬迄をここで行っていたという。日本統治時代に作られたこの施設だが今は最上部の1棟が現存するも後は基礎部分を残すのみとなっている。そのスケールの大きさは残された物からも推測できる。全長2km、直径2mの煙の煙道も残されておりトロッコ道等もある。計画では街の反対側にある既存の博物館に加えて、ここを美術館とすることでこの街全体の歴史性を前面に出したものにしようとしている。面白い事に前述したトロッコなどは観客の移動に利用するという。計画では基礎部分のみの利用になっているが、欲をいえば過去と現在を繋ぐものが地上に欲しかった。

教授・富樫 克彦