Wearing

小田原 慧

作者によるコメント

空間は常に移ろい、変化している。人が環境や季節に応じて衣服を纏うように、座り手の意思により衣服を纏うように、変化する椅子の提案をする。

担当教員によるコメント

私達の住む世界には美しい自然の風景がある。そしてそれは絶えず変化を見せながら移ろう。この作品は5cmにも満たないほんの小さなピースから成っている。フェルトに切れ目を入れた花びらのような小さなピースが集まり椅子の座になり、背になり、タペストリーになる。さらに増殖を続ければカーペットや、それよりもっと巨大なものになる可能性も秘めている。私達は紅葉を美しいと感じるときそこには小さなピース(葉)があり、そして多様な色があることを知っている。この作品には自然界にみられるこういった「移ろい」を直感的に表現できる面白さがある様に思う。部分から全体へ美しく増殖するためには最初の一枚のデザインが重要だが、これも丁寧に答を解いている。

教授・富樫 克彦