「ただいま」の集まる空間

白銀 香奈美

作者によるコメント

横浜元町という土地に周辺住民と観光客の両者が利用でき、交流できる入浴場を設計。元町の人々の「ただいま」が集まる空間に、外部の人々が訪れることで元町が新しい形へと変化していくきっかけとなる。

担当教員によるコメント

今では信じられないかもしれないが、1ドルが360円の時代があったのです。その頃の元町は独特な雰囲気のある賑やかな街でした。これは現在少し静かになっているこの街に、今再びの活気を取り戻すための提案です。キーワードは「風呂」。あの古代ローマが外郭地域民を懐柔するのに使ったのと同じ戦略です。人は今も昔も変わらない、入浴は身体をほぐし、気持ちをリフレッシュさせ、腹をすかす。気持ち良くなれば口も軽くなりコミュニケーションなんてものもスムーズに生まれるかも知れない。良い事ずくめです。しかし、閉じながら外に向かって開いていくものも見たかった。ファサードは元町商店街の特徴であるオーバーハングした形態を踏襲し周辺環境を守っているのは良かったです。

教授・富樫 克彦