遺言の家
柳田 里穂子
作者によるコメント
私が死んだら、私の家はどこへいくのでしょうか。生前の住処と死後の住処としての家と墓をみながら、わたし、の、家、について考えます。地面を基準にして、この家はできています。家は、地面と箱と、穴によって支えられています。これは、私の遺言としての、建築的解釈で在ります。
担当教員によるコメント
臨死体験の世界を信じればべつの話であるが、自死は知覚できない。全ては他者の死である。そんな哲学的議論を経て掘り下げた力作だ。
遺言とは言葉によるメッセージだとすれば、故人の残すメッセージが「空間」だったらという提案だ。しかも生前そこに住みつづける。
理屈っぽい切り口が敬遠されがちな我が学科内では低評価であったが、東北で行われた全国の卒業設計コンクールで3位の快挙。
僕は理屈っぽいことに付き合う覚悟です。
教授・松澤 穣
- 作品名遺言の家
- 作家名柳田 里穂子
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