POST BED TOWN

中村 覚

作者によるコメント

都市近郊の衛星都市“ベッドタウン”の開発に対する疑問から生まれた、風景を操作する提案。風景軸を遠景の富士山から引き、平塚市・茅ヶ崎市の三つの対象地を貫通するプランを用意した。

担当教員によるコメント

地元の風景への愛着、富士山、相模川、太平洋、平塚に暮らしてきた中村クンは、自動車工場跡地、相模川の河川敷、太平洋に沿って伸びる茅ヶ崎の松の樹林帯の3ヶ所で地元の風景を結びつける。34haの工場跡地は富士山へ向かう大きな視覚軸を与えられ、道路によって二分されていた敷地はダイナミックな盛り土で繋げられた。有機的なランドフォームに対して、富士山への視覚軸に乗った建築や並木が構造を与える。河川敷には新たにマリンスポーツの拠点を提案、川を渡る東海道線、国道一号線も風景に取り込み構造化に成功している。松林の横には海との間に限りなくまっすぐな道、そして、東側の端に用意した、階段状の軽い展望所。富士山を正面に、左には太平洋が広がるダイナミックな風景を、一本の線で顕現させる。
色をおさえ、ホワイトモデルで表現した模型は、「もの」としての魅力さえ持つ。俯瞰やアイレベルのスケッチは、その場所での一番のチャームポイントを的確に表現している。

教授・吉村 純一