花として今日を生きる

山村 舞

担当教員によるコメント

心の中に在る作者の部屋なのだろう。一人は座し、一人は横になってはいるが、作者自身を描いているかのようにも見える。この仮想空間の中では、ある距離をもって、人物が描かれているが、それは、作者自身の分身に違いあるまい。画面は、作者の思いの中で、息づき、思考し、まどろむ。これは、日常の風景ではない。描いている途中のようにも見えるが、ある完成度がある。すべてを描いて説明しない所に、ある余韻が残る。これは、計算されたのものであろう。
キャンバス地の白が、そのまま残り、その白さは、描かれた人物をより鮮明に写しだして見させる。グレーの抑揚された色調が、地の白と対になって、あいまいさをそのままで良いのだと主張して美しい。

教授・高橋 幸彦

  • 作品名
    花として今日を生きる
  • 作家名
    山村 舞
  • 作品情報
    技法・素材:綿布、油彩
    寸法:H1818×W2273mm