草野君

新谷 芙美

担当教員によるコメント

自らが移動するのではなく、環境に合せて変形することで生き延びてきた植物は、その生命を存続し植生領域を拡げていくため、様々な進化をしてきた。そんな植物が、動物のように自由に動き回ることができたら、それは一体どのようなものになるのだろう。もし植物が動くことができたら、人と植物の関係にも変化が生まれるに違いない。
草野君は、自ら光を求めて移動する、植物のためのモバイル/インタラクティブ環境である。それは植物の柔らかいサイボーグ化ともいえるだろう。植物の動物化をテーマとした草野君は、植物同様その形態やメカニズムを少しずつ進化させてきた。この最終バージョンでは、それぞれ異なる性格を持ったデバイスが、あたかもカルガモ親子のように連成する。

教授・久保田 晃弘