face neuron

長谷川 希木

担当教員によるコメント

この作品に近づくと、浮遊した3Dの顔がいっせいに観客の方を向き、そして観客が歩く方向や向きを変えると、それらの顔もじっと追うように動くのである。これら3Dの顔は長谷川希木本人の両親、親族や恩師など彼の周囲の人間の顔から構成されているが、じっと見ていると、誰もが知っているある建築家であったり、いつも見かけるどこかの店主であったり、昔旅先で会った誰かだったり、「ヒト」という枠組みの中で誰もが必ずどこかで見た事のある「認知された顔」であることに気がつき、そのことに改めて驚かされる。それは、この作品のコンセプトである我々の内にある顔認識のために働くface
neuronを通じてこの作品を視るからに他ならないのだろう。

教授・三上 晴子