form giving piano, 音にかたちをあたえると

林 響太朗

作者によるコメント

物と物とが触れ合い、発生する音、音と音との重なりでできる音楽。形から想像する音、音の中から創造する動き、形。その美しい音に形は見出せるか。私は、プログラム制御で動く論理的な図ではなく、エモーショナルな感覚を追求した「音と図の関係」をインタラクティブな映像作品で制作しました。形が聞こえ、音が見えるこのform giving pianoを是非体感してみてください。

担当教員によるコメント

この作品は鍵盤で奏でた音のデータを立体映像に変換し、演奏者の頭上に投影するインタラクティブな作品である。手法自体は従来にも同様の作品は存在したが、それらの作品と趣きを異にするのは、映し出される映像のクォリティーの高さであろう。螺旋状に上がって行く音に対応した立体の形状とそれらが変化していく様子の美しさは見るものを魅了する。ピアノが弾けなくてもこの作品で鍵盤をたたくと自然と楽しい気持ちになり、またその様子を見ている人たちも楽しくなる。またプロフェッショナルな演奏者にとっては、インタラクティブな映像に合わせて即興でパフォーマンスが高まっていくツールとなる。様々な人たちによって無限の可能性が引き出されるデザインである。

教授・宮崎 光弘