A.Sight line structureB.Reflection Geometry

草野 温子

担当教員によるコメント

緻密な計算のもとに、丁寧な手仕事により作られた構造物。それらは反射と透過が複雑に絡み合う。多くの鏡面立体作品は、風景を取り込むことでその存在を消し、トリッキーな視覚操作をねらう。しかし草野のコンセプトはそこにあるのではない。作品を鑑賞することとは何か、作品に向けられた視線の行き着く先はどこなのか。そのために、反射、透過ともいくつかの素材を組み合わせ、幾何学形態の規則性を利用しながら、草野本人が語っている「視線の折り返す時間」の差異をつくり出しているのである。その差異とは、ほんの僅かなものであろう。しかし鑑賞者は草野の作品を前にすると、見ることと見ないこと、あるいは見えることと見えないことの、大きな差異について感じざるをえないのだ。

教授・小泉 俊己

  • 作品名
    A.Sight line structureB.Reflection Geometry
  • 作家名
    草野 温子
  • 作品情報
    技法・素材:鏡、木材、アルミ複合版、蛍光灯
    寸法:H1820×W1185mm
    技法・素材:鏡、マジックミラー、ガラス、アクリル、木材、紙、塩ビ板、蛍光灯、LED
    寸法:H450×W450×D1350mm
  • 学科・専攻・コース