TRIGONAL

作者によるコメント

「機能」「美しさ」そして「生産実現性」。多摩美で学んだ４年間の集大成として、私がプロダクトデザインに不可欠な要素と考える3点をテーマに制作した調理器具のシリーズです。その結果、柄の断面や正面からみた形が名前の由来である三角形に近い、特徴的な形になりました。
それぞれの調理器具に求められる「機能」と「性能」を見つけ出して整理し、デザイン要件を探りました。そのデータをもとに代用実験を繰り返しながら形を決めていきました。

担当教員によるコメント

この作品の根幹にあるのは、徹底的な樹脂に対する知識構築である。調理器具のデザインワークにいたるまでに、樹脂性製品に対してのあらゆる耐抗実験を行い、そこからの考察と次なる知識取得のための実験手法を導き出すなど、その探究心はデザインリサーチとしては他を圧倒するだけの高い説得力と生産実現性を感じさせるものであった。調理器具としての不可欠な"機能性"と"美しさ"についても、代用実験や実証実験を繰り返し行った事から創造されたことが伝わってくる造形であった。"樹脂"という今後も様々な用途向けに開発され、使用可能範囲としても拡大し続けるマテリアルのデザイン研究手法として、プロダクトデザインを志す学生達が目指すべき良き指標となるであろう。

教授・中田 希佳