ピタゴラスの水鏡

嘉山 由希子

担当教員によるコメント

最近つくづく思うことは、(当たり前のことではあるが)作者の性格が作品に表れるということである。
この作者は、三年次にも芝を使って同じような作品を作ったことがある。芯にスチロールを使うものの、土と植物で造形するという制作の当初は、その完成のイメージが捉えにくかったが、設置地面と同化した作品は、芝の生育具合の良さと共に面白いものであった。表題どおり、この作品は小島が鏡のような水面にシンメトリカルに写り込んでいる様子を表しているのだろう。作品画像を観ると、大きな草食恐竜がゆっくりと動き始めるようにも見える。見る側がいろいろ想像を展開できる作品は楽しい。この作者が、小難しいことを考えず、のほほんと制作しているように見えるのがうれしい。

教授・黒川 晃彦

  • 作品名
    ピタゴラスの水鏡
  • 作家名
    嘉山 由希子
  • 作品情報
    技法・素材:苔、タイル、鉄
    寸法:H1200×W2100×D1100mm
  • 学科・専攻・コース