アマチュア出版と電子出版の親和性の研究, ―これまでの紙媒体による出版方法との比較―

安藤 宏平

作者によるコメント

アマチュア出版を行う際の方法について、紙媒体の書籍で出版を行う場合と電子書籍で出版を行う場合の具体的な金額、方法を例に挙げながら比較し、アマチュア出版においての電子書籍の有用性を証明する。また近年公開されたアマチュア向け電子書籍制作サービスや販売サービスを調査し、アマチュア出版の賑わいによって電子書籍の発展が促されるのではないかという論を論じる。

担当教員によるコメント

加速する電子出版の普及に際して、商業的な作家ではない書き手が、これまでにない可能性を見出しうるか。このきわめて実際的な問いから、経費や技術や市場の現状を周到に点検する、レポート的な論文である。いいかえれば、「デジタル・セルフ・パブリッシング」により、アマチュアの書き手がどのような道を開いていけるか、という論題となる。かぎりなく「現在」の状況に近づくことになるので、おのずから普遍的な書物論の論題から遠く離れそうになる。だが、実地に多様な試しを行なった研究によって、「アマチュアの書き手」が「読者」とのあいだに見出せそうな「コミュニティ」について、真摯に問い掛けえている。

教授・平出 隆

  • 作品名
    アマチュア出版と電子出版の親和性の研究, ―これまでの紙媒体による出版方法との比較―
  • 作家名
    安藤 宏平
  • 学科・専攻・コース