卒業制作優秀作品集2014
芸術学科

CHOI JungYi

現代美術における“Alternative―代案”の意味について

この論文は「現代アートにおける“Alternative-代案”の意味について」に関する研究である。美術史の流れは、変化を必要とする時代の代案要求、それによる新代案の登場及び新たな美術思潮の誕生という繰り返しの連続であると思う。それゆえ“Alternative”という概念に注目しつつ、現代アートにおける“代案”の意味と現代アートとの必然性について考察、研究しようとする。特に新たな美術思潮が急速に生じて消えるのを繰り返している今日のコンテンポラリーアートこそ“Alternative”の意味を洗い出す必要があると思う。

担当教員によるコメント

モダニズムを基礎とする現代美術の展開を扱う際には、前衛的かつ、ある意味で進化論的な視点に立つことが一般的である。それに対して、本論文の持ち味は、かつては新しかったが、今は古く因習的になり、行き詰まったものに対する「代案」の提示ないし登場として、いわばポストモダン的に歴史の展開を考えるところにある。アール・ブリュットやアウトサイダー・アートが強調されるのは、色とかたちの洗練を究めていく正統派の美術史に対する、それが「代案」だからである。また旧東ドイツの社会主義リアリズムを出自とする、見かけはやや古めかしい新ライプツィヒ画派に注目するのも、最先端の何たるかを見失いつつある現代美術を慮ってのことであろう。

教授・本江 邦夫

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