サヨナラほうき星
田島 美千代
担当教員によるコメント
美少女戦士を印刷したハサミに対して、作者は複雑な感慨を抱いている。少女時代にもった憧れ。成長や流行の変化のなかでハサミへの憧れが女の子の心から消えてしまう儚さ。低い機能性と安易なイメージ性に対する嫌悪。それと金儲けの世界に侵されて捨て去られることへの憐憫だ。機能も果たしきれず、かといって表現性も薄っぺらなまま葬りさられるハサミを、執拗に飾り立てた何重もの陶製の棺に入れてあげようという作品だ。作者は言う。「美少女戦士に憧れたひとりの女の子として、かわいいとしても全うな道具としても死ぬことのできないハサミを、永遠のかわいいとして殺してあげなければならない。今のまま、永遠に誰かのかわいいでいられるように。」
教授・尹 熙倉
- 作品名サヨナラほうき星
- 作家名田島 美千代
- 作品情報技法・素材:セラミック、ガラス、七宝、鉛
寸法:H6810×W4700×D6100mm - 学科・専攻・コース
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