invisible scripts _ the whole and parts

渡邊 拓也

担当教員によるコメント

自分の内側ではなく外側、世界の側に既にあるものを言い表すことが表現であろう。渡邉拓也は「僕らは“バラバラ”であることを意識することができない」と語る。「人は世界を理解するために、生きていく為に無意識に自己と世界を分節し、更に細かく分けていくプロセスが不可であり、そのことに人は無自覚である」と言う考えのようだ。現代の閉塞感のようなものを積極的に語ろうとしていると感じる。今回の仕事はシミュラークル的な形態で、その表面が卓越した技術で獲得された「手の痕跡」を徹底的に排除した表情(釉薬)で覆われている。片や分節された状態、もう一方の合体された二組の配置である。それらの存在が強く彼の「外側」の言い当て方として我々に揺さぶりをかけている。

教授・井上 雅之

  • 作品名
    invisible scripts _ the whole and parts
  • 作家名
    渡邊 拓也
  • 作品情報
    技法・素材:磁
    寸法:H550×W1100×D240mm サイズ可変
  • 学科・専攻・コース