SETAGAYA GREEN RAIL 計画

植野 由里雅

作者によるコメント

地元の駅を中心に徒歩圏を広げ、自分の街の魅力を再発見してもらうとともに、外部からも新しい流れを呼び込む緑の道を造る計画である。具体的には地下化した鉄道の跡地を再開発し、新しいライフラインとして徒歩というスローな移動手段で都市部と住宅街を繋ぎ、防災や交流、文化の拠点を作るものである。

担当教員によるコメント

東京では近年、鉄道交通網のインフラ整備が盛んである。計画の多くが商業至上主義の大規模開発であり、近隣住民の関係性を断ち切った、近郊から集う施設利用者の便利さばかりに目が向いたものに思われる。そのような中、作者が設計したのは、地下化した小田急小田原線世田谷代田駅から東北沢駅までの全長2.4㎞の線路跡地計画である。モール状の跡地をGREEN RAIL 計画と名付け、商業施設・劇場・保育園・病院等を木立の間に点在させ、そこを遊歩道やサイクリングロードが繋いでいる。東西に走るモールと南北に位置する住宅街とのバランスがよく、ここを訪れる人々に気持ちのよい空間を提供してくれている。ゆとりと楽しみを持った、これからのスローライフの時代を予感させる作品である。

教授・田淵 諭

  • 作品名
    SETAGAYA GREEN RAIL 計画
  • 作家名
    植野 由里雅
  • 作品情報
    計画地:地下化した小田急小田原地上跡地(東北沢駅/下北沢駅/世田谷代田駅間)
    敷地総延長:約2.4km
    敷地総面積:約76250㎡
  • 学科・専攻・コース