給水所と街のあいだに

北野 航太郎

作者によるコメント

第一給水塔の前に設置するはずだった噴水計画。第一給水塔の遊歩道計画。今はない、第二給水塔の前の西洋風の庭園…。今ある和田堀給水所が本当の姿なのだろうか?設計者の意図は違ったのではないか?と感じた。この計画は私が設計者の意図を読み解きながら給水所の機能は残し、さらに街にどう開くかを考え設計した公園である。

担当教員によるコメント

土木遺産としての存在感、その立地、機能性…どれをとっても卒業制作のテーマとしては申し分無く、とても期待した。しかしその一つ一つの充実度が足かせとなっている。旨い肉さえあれば、構わず焼くだけでいい。多少の焦げも味のうち。結局焼くだけ!焼き加減すらも影響しない、見事な霜降り!何らかの問題点、至らぬ点、矛盾…などなどが噴出していながらも魅力を放つようなテーマであればと思うのだが、このテーマ設定が見事な霜降り肉だったといえるだろう。北野に出来たことは、観察者としてしての人の動線の可視化となった。早々にテーマを設定し、緻密なスケジュールコントロール故の、内在するテーマの充実度を蔑ろに見切り発車したのが悔やまれる。しかし、巨大な模型、時間を掛けたドローイング、見事なプレゼンテーションはひときわ輝く!

教授・松澤 穣