transition

小西 晶子

作者によるコメント

空の変化を楽しむ作品である。花びらのようなパーツが時間の流れによってひとつひとつ表情を変える。光が反射し、空の色が移り変わる。

担当教員によるコメント

「空と向き合う万華鏡」 厚紙(いわゆるボール紙)を水滴状に丸め、張り合わせて作られたフォリーである。人ひとりがどうにか座ることの出来る小さな構造物は、外部からは何でもないシリンダーに感じられるが、一歩中に入ると外からは想像出来ないユニークな空間体験が待ち構えている。ドーム状の天井を見上げると、丸められた無数のボール紙は植物茎の断面のような表情を見せ、その筒状の先には青い空が広がっている。刻々と変化する空の表情が筒の内側に反射し、光と影が逆転しながら座る者を包み込む様は、まるで空が万華鏡になったかのようである。作者は悩みに悩んでこの表現に辿り着いたが、素晴らしい作品として結実した。

准教授・橋本 潤